新商品の発表は既存店にとってはとても重要です。伝統を守ろうとする反面で新しいメニューを開発していくことは外食産業の宿命みたいなものだからです。
広く支持されている全国展開の店では新たな商品を加えることで旧メニューをカットしなければならず、顧客離れを起こす原因にもなるため慎重におこなっています。今回はドーナツ業界の第一人者となっているミスドの商品開発について調べてみました。
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新商品はブランドイメージが大切
ミスドと言えば「コーヒーおかわり自由」発祥の企業です。もともと客席を持つ店舗は、客席を高回転で入れ替えていくことで席単価・坪単価を高くして儲けを出していたわけです。
ところが、あえて店内でゆっくりしてもらうことで顧客は居心地がよくなり、再来店するリピーターになることを狙ったわけです。このおかわり自由には新たな商品開発は必要ありませんでしたが、徐々に効果が表れ女性や親子連れの固定客が増えました。
同業他社は当然のこと他の外食産業でもおかわり自由を始めていくほど業界の常識を変えたものだったのです。
この様なサービスによるものだけではなく、商品開発で生まれた商品は創業以来700アイテムを超えています。すべてがヒット商品とは言えませんが、季節的な要件や祭事要件、また時代の流行などを考慮して作り上げてきたものです。
ここでのポイントはあえて「ミスドの商品」と判るような何かを残していくことに拘っていることです。
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商品開発を支えているのは?
では「ミスドと分かる何か」とはどんなものでしょう?
商品開発は誰かの思いつきで発表しているわけではなく、年間5000アイテム以上もの商品案ができ、その内でほんの僅かだけが陽の目に当たれるのです。
つまりミスドらしい商品とは開発者だけではなく、多くのスタッフの総意によって商品化されるため、自ずと企業カラーにあったものが新商品となるわけです。このようなこだわりのある商品をプロデュースしているスタッフの力もさることながら、やはり顧客が「新商品」と判るほどの認知度の浸透の凄さもあります。
あれだけの品数ですからすでに好みの品があるとしても、ミスドの新商品だからこそさらに購入するわけです。つまり顧客のミスド愛が新商品を支えているのかもしれません。